【クロス工事の見積書】からくりを読み解く方法 壁紙張替えについて
こんにちは!ツネです。
リフォーム工事にかかせない壁紙の張替え!
見積書に書いてある【クロス張替え】項目のそれぞれの内容の説明と、クロス工事の見積書をチェックする際の注意点をお伝えしていきます。
一般的な見積書では、
工事内容・仕様・数量・単位・単価
でその項目が何の工事でどのような仕様で数量はこれで単位はこれで単価はこれ云々、だからこの金額!と書かれています。
※様々な書式がありますが。
クロス張替えの場合↓
通常の工事内容を細分化すると、
クロス剥がし・パテ等の下地処理・クロス張付け
あとは別項目でゴミの処分代がかかるぐらいですね。
ちなみに壁紙は主に【ビニールクロス】なので、産業廃棄物の処分場などに持ち込むと「廃プラ」という扱いです。「木くず」などよりも少し高いです。余談でした。
仕様 コレは大きく分けると量産かそれ以外です。
量産 は安価な物が一般的です。いわゆる普及品ですね。賃貸物件で使用されているのは主に量産品です。
こちらを選んだ場合は、工事会社から大手壁紙メーカー(サンゲツ・リリカラ等)より出されている辞書ぐらいの分厚さの見本カタログを渡されるでしょう。
一昔前では、色のついた壁紙やオシャレな壁紙は量産のカタログに載っていても種類が少なく白系統が多かったのですが、現在では様々なカラーを選ぶことが出来てオシャレな木目調のものもメーカーによっては選べます。素材も厚めのものが多く、下地を拾わない優秀な材料です。
特にこだわりが無い方は、量産カタログの中から選んで少しでも工事費用を抑えると他の工事に充てられますね。
ではそれ以外とは何ぞやとのことですが、
1000番台と呼ばれる量産品より高価なものや消臭・抗菌などの機能付クロスのことです。機能付きクロスは金額機能様々で今回は割愛。主に1000番台のことを書きます。
1000番台と呼ばれる壁紙は種類が大変豊富で、カタログの数もめちゃくちゃあります。
量産カタログには載っていないオシャレなカラーや柄物がとにかく無数にあります。
人と違う壁紙にしたい!って方はこちらですね。
量産と比べると材料費が割高で、素材自体も量産に比べると薄いんです。工事会社によっては施工の手間代が上がる場合もありますし、下地によっては使えないものなんかもあります。(※使えないというより下地に影響受けやすいってことですね。)
リビングの1番広い壁だけ!トイレ室の背面だけ!等
量産品をメインの材料にしてアクセントを1000番台で部分的に張る場合もありますね。
是非あなたの住まいに取り入れてみてください。
数量・単位
天井・壁・梁部分・柱などのクロスを張る面積がこの数量の数値です。
そして単位はほとんどの工事会社が平方メートル【㎡】で表記します。
稀に【m】表記の会社さんもいるので確認。
※数量の取り方も工事会社によって様々で、材料によっても変わってきますので後述。
一般的な場合は、
6畳間の天井だと3.6m×2.7mで約9.7㎡ですね。
見積書の数量には9.7 単位には㎡と記載されます。
金額
ここでは量産の目安金額帯を説明します。
リフォームにおいて、工事会社からあなたに出される見積相場としては大体1㎡当たり1,000円〜1,500円が主です。
以前は㎡単価850円や900円で張り替えてくれる工事会社さんも多かったのですが(今もあります。)、大手メーカーが最近壁紙の値上げをした影響を受けて、単価を上げている業者さんが多く見受けられます。
大体が上記の金額なのではないでしょうか。
自分でクロスの張替えが出来る内装職人さんに直接お願いすると、先ほどの850円や900円で張り替えてくれる方も中には居るかもしれません。
クロス工事の見積書のそれぞれの項目と内容の説明はこんなところです。
次は
クロス工事の見積書の注意点を解説していきたいと思います。
①1箇所の単価だけを見て判断するな!
見積書をあなたが見た場合、単価にだけ目を通して金額の高い安いを判断してはいませんか?
900円だ!安いな!って安易に考えていらっしゃったら、少しSTOP。
その項目にクロスに関わる全ての工事内容が含まれていますか?
・クロス工事 ○○ ㎡ 900円
といった表記をしてる会社を例に挙げて【A社】とします。
大掛かりなリフォームで工事項目が増えると、10ページを越える見積書を渡されるでしょう。
上記の項目は、何ページもある見積書の中の、
【内装工事】のページに書いてあるものですよね?
【解体工事】のページに
・クロス剥がし ○○ ㎡ 200円 と書いてあるのを、
【内装工事】の他の行に
・下地処理費用 ○○ ㎡ 200円
他のページに
・クロス材料費 ○○ m 200円 などと書いてあるのを見逃してはいませんか?
クロス張替工事で、その項目にしか表記の無い見積書であれば、
(例)【B社】
・クロス張替え ○○ ㎡ 1,200円
で良いと思います。あとはゴミ代ぐらいですよね。
前述した見積書の中でクロス張替え工事に関わる金額を全て足すと、
900円+200円+200円+200円=1,500円です。
先程まで1㎡当たりの単価が900円だと思っていたA社は実は1㎡当たり1,500円だった。
一見、
A社の方が安く見えるのに、
総合すると実はB社の方が安かった!
ということがあり得るんです。なんと。
コレって実際多いんです。
見積書を細かくしていくのは、あなたと業者間で内容の齟齬が無い様に、また工事代金の根拠が書面でわかるように。と本当はいいことなのです。
・○○○工事 一式 500,000円
のような昔の職人さん系によくある見積書だと、
何がどこまで?って詳しくわからないですよね。
しかし、いいことだけではありませんでした。
お客様側が、あなたが、見にくい!
見にくいというより、わかりにくい! ですね。
わかりにくいクロス工事の見積のからくりを読み解く方法を身につけておかなければ、目に見える一部の単価だけを見て右往左往します。
見積書をしっかり読みましょう。
②数量は工事会社によって変わる。
え!?天井とか壁の面積って工事会社が変わっても一緒じゃないの?なんで変わるの?!おかしいよ!
仰る通りです。あなたの家のリビングの天井が、測る人によって5㎡も10㎡も変わるはずありません。
ですが、どうやってクロスの平米数を計算するかは、その業者によって若干違います。そしてあなたが測った実際の壁の面積と工事会社からくるクロス工事の数量は違うのです。
何故か。
それは、《クロスの張り方・材料のリピート・窓や扉などの計算方法》によって変わるからです。
張り方
職人さんそれぞれにクロスの張り方(材料の取り方)があり、若干違うことがあります。コレは人によるとは言えどそこまで大差ないです。
材料のリピート
柄物の壁紙には、「リピート」と呼ばれるものがあります。簡単には、壁紙同士を合わせるためのピッチのことです。
あなたが行った場所で都度見るそのオシャレな柄のクロスは、最初から完成されているのではなく職人さんたちが半分の柄と半分の柄を合わせているのです。
m数を現場で計算して糊付けしています。
子供部屋などで使われがちな空のデザインのクロスがわかりやすいです。
こちらは壁紙最大手メーカー サンゲツ さんのリザーブシリーズ RE51271 という品番です。(メーカーHPより抜粋)
例えばこの壁紙を使って、これらを組み合わせて張っていった場合に雲と雲が半分ずつ空に面しているとおかしいですよね。
なので、メーカーからリピートの数値が出ていてるのです。面としての完成形を、主に910mmの横幅しかない材料で作っていくのです。
これは現場での施工がひと手間掛かりますね。
これが無地の壁紙だったらどうでしょうか。
材料を床から天井まで関係なくパタパタと張ることが出来、ロス(ごみ)も出さずに進めていけますよね。
工事会社がどの壁紙で見積をしているかにより、数量が変わってきます。
窓や扉などの計算方法
庭に面した大きな掃き出し窓の場合はそのサイズを壁の面積から引いて数量が出せます。
問題は小窓のような、1平方メートルもないような箇所を数量に入れるか入れないか。
その部分の面積は張る必要の無い場所で、張ることも出来ないじゃないか!数量としてカウントすることが出来ないだろう!💢
あなたの言うことは間違いではありませんが、
現場の職人からすれば、造作による凹凸もなく窓も存在しない面のただの壁を張る方が簡単なのです。
ですが面積はどうでしょう。
窓の分、エアコンの分、扉の分は少なくなるでしょうか。
施工の手間は普段より面倒なのに、壁に何もなく張りやすい時より金額が下がるのでは中々厳しいです。
これも工事会社の解釈と判断です。
以上大まかな3点からお分かり頂けるように、実際の寸法とクロス工事の数量は違いがあるのです。
明らかに不可解な数量の水増しは悪質業者の論外な数字ですが2階建の一軒家でクロス全張り替えなどの見積を取る際には10㎡、20㎡の数量の違いは誤差と言えるでしょう。
もしどうしても腑に落ちない・納得出来ない場合はその工事会社に直接聞いてみるのもオススメです。
根拠をハッキリと伝えられる業者の説明は、あなたを納得させてくれます。
今回はクロスの見積 虎の巻 まとめてみました。
ではまた、次の記事で!