給水塔

不動産とか、人生とか、金とか、家族とか、どうでもいい話。

1970年代に原野商法で騙されて土地を買った方の別荘地管理費を2020年代に跳ね除けた話。

原野商法とは、田舎の山奥などにある価値の無い土地を「リゾート開発をする予定」「新幹線や高速道路が建設される」といった謳い文句であたかも土地の値上がりが確実であるといったような虚偽の説明をして一般消費者に売りつける悪徳商法です。

現在(2023年)においては、太陽光発電詐欺(太陽光発電設備を設置する土地の権利を売りつける)・バーチャル原野(インターネット上の仮想空間の無価値な土地を売りつける)といった別の意味の原野商法があるようですが、本記事ではこれらを含みません。
いわゆる昭和のTHE・原野商法被害の方から相談を受けた事例の経緯と顛末を書きます。

きっかけは過去に当社でマンションを購入してくださったお客様の来店でした。
購入は20数年前で、現在70歳近くの方です。(以降Aさんとします。)

たまに当社の近所を散歩されていますし、たまにご来店されるので特別不思議なことではなく、いつものようにお茶をお出ししてお話を聞いていました。

Aさん「夫が所有している◆◆別荘地の土地をなんとかしたい。」
わたし「えー!Aさん、そんなところに土地持ってたの?」
Aさん「夫が、バブルの時に騙されて買っちゃったんだよ」
わたし「あらら。買ったときはおいくらでした?」
Aさん「500万。いろいろ自分でもネットで見てた。まず買値で売れないのは分かってる。捌くのにお金が掛かるのもわかるんだけど、毎年管理費の請求もくるし、こんな辺鄙なところを娘に残したくないんだよね。」
Aさん「調べてみます。その土地の購入時の資料とか全部持ってきてくれます?」
Aさん「実は持ってきた。なんとかしてちょうだい。頼んだ!」
わたし「えぇー!」
こんなやりとりでした。

正直、まいったなぁというのが本音です。

昔の悪徳不動産業者は全国各地いろいろなところでこの手法をやっていたんです。
東日本だと、北海道(ニセコ)・那須・軽井沢・伊豆 とかですかね。メジャーなところ以外でも結構ありますが、割とネームバリューがある地名を使ってやってるんです。
私も何度かそういう物件と対峙したことはありますが、まぁ格闘してもうまくいかない。

ですが当時購入した方々は数十年経って家庭を持ち子供が巣立ち、みんな同じことを考えているんです。子供に負の財産を残したくない。
いわゆる「なんとかしたい!」のです。
さぁ早速レインズを見てみると出るわ出るわ同じような土地。


価格を好き勝手につけて都内の業者からリゾート専門業者まで同じような物件が出てました。

やっぱりな。これではまともに売れないので別の方法を模索します。


預かった書類から公図をとって本地の謄本を取ります。

うん、Aさんの土地で間違いない。それからは、隣地の謄本を拾います。
大体の方が同じように数十年前に売買で取得しているようで、なかには分譲時の業者が名前を少し変えて数年前に再び買い取っているではありませんか。 

お!?ここで起死回生のチャンス到来です。
公図上でおそらく道路だろうという本地の隣の筆が自治体所有の公衆用道路だったのです。
住所を調べてGoogleのストリートビューでみると、Aさんの土地は公道に面している土地でした。
大半、分譲時の業者が所有している私道を通行しないと自分の土地へいけないのです。

ですからそんな多くの土地はGoogleのストリートビューではまず外観なんてわかりません。

Googleアースで見ても山林が生い茂っていて何もわからないのです。

閃いた。ここで依頼者のAさんの許可を得て方向転換します。
まず管理費の支払いを無くすことを第一目標にします。

同じような物件が出ているなか、公道に面していて管理費の支払いがない普通の土地にするほうが先ではないかと考えたのです。
管理費の支払いが無い・固定資産税の支払いも無い土地であれば売却もしやすいし、万が一売却に辿りつけなくてもご自身が亡くなった時に娘さんに譲れるただのいらない土地に変わるだろうと。
「なんとかできるかもしれない。」と考えた私は、お客様が毎年支払っていると言っていた管理費振込の案内を見つけました。
おぉ。

やっぱり㎡単位数十円/月で年額を一気に振り込ませるのね。やってるやってる。

ではこれ何の管理費なの。って最初は思うのですが、当の所有者さんは購入した際に浮かれ気分で無茶苦茶な説明は受けてから何十年も支払っています。

現在の管理している(?)業者に回答を求めても、「共用施設・私道およびインフラの維持管理費です!」といわれて終了なのです。
よっしゃ。

じゃあ管理規約を見てみようと当時のB5サイズのそれらしきものを見るとまぁ同じようなことが書いてあるんですね。ここには解決の糸口がないか。

では実態の確認。
実態とは「管理委託契約書」の確認です。毎年支払いを促されている・支払っている、いわゆる「管理費」はどの書類に基づくものなのでしょうかという単純な疑問です。実際に管理をしているかなんてどうでもいいんです。

聞けば「やってるよ。」と言われて終いなので。
Aさんから預かった書類に管理委託契約書は入っていなかったので電話で聞いてみると「持っていない。知らない。」とのこと。

じゃあ管理会社に聞いてみようと連絡するも「探してみる。」とのこと。

1週間経って再度電話で聞いてみると、「まだ見つからない。」「あと1ヵ月探してもらって見つかる目処あるの?」と聞くと、「たぶん探しても発見できない。」って。

「あれ、じゃあ管理委託契約が成立しているか証明出来ないじゃん。」と詰めたところ、「うるせぇ!管理してるんだ!管理費支払ってくれてんだろ!」と謎の逆ギレをしてきたので一旦ガチャ切り。

わかる。わかる貴殿の立場も。
というのも、そういった原野商法をやった企業で今も存在している会社の当時儲かった当代とその取り巻きはほとんどがいないわけです。

当時のケツを拭いているのはその会社で勤めているただのサラリーマンなんです。
庇うわけではないですが、それで儲かった悪徳社長ならまだしも、原野商法で大儲けから数十年経過して後始末を抱えているのは違う人なんです。

だからといってAさんの依頼を反故にすることはできません。
優しく理詰めで戦ってみよう。

同じようなクレームが届きすぎて面倒くさいんだろうけど、話せばわかるだろうスタイルに切り替えます。「これ以上長引かせても、向こうに理があるからしょうがないよね。」ってその担当者が会社の偉い人に伝えるぐらいまでの交渉が出来れば解決できるだろうと予測しました。

ポイントは3つ。
①  公道に面している土地であること。
→これが一番大きいポイントです。業者所有の私道を通行しなければならない土地だと
何も出来ないパターンもあります。

画像
これがAさん所有の土地(イメージ)一帯が別荘地の場合。
このラインより上のエリアが無料で表示されます。


 「インフラ施設が別荘地内にあるから!管理費払って!」とか言われても知らんよ。
 「うるせぇ!」と返答しましょう。

②  管理委託契約書をお互いに保存していないこと。
→これも大事ですが①ほどは重要ではないかな。
逆に管理委託契約書が存在していればそれは解除すればいいだけなので。
同じような別荘地の別の物件で様々な管理規約とか見てますが、《契約の解除》の記載がないことが多いです。

分譲地のほとんどが分譲業者所有の私道を通行しなければ辿り着けないのでそもそも解除されることを想定していないのです。
「管理委託の解除なんて出来ようがないよね。だってうちの道路通らないとあなたの土地まで行けないもんね。その道の維持管理費はみんなで捻出するのが普通だよね。わかるよね?通れなくするよ?」と言ってきます。

画像
Aさんがこんなところを所有していると面倒なのです。一帯が別荘地の場合。


※袋地の場合、通行権などあるのですが、こちらでは分かりやすくするために割愛します。
まぁ理屈はわかりますが、分譲業者がそれを言ってはダメでしょう。持分持たせとけよ。
話が逸れましたが次が3つ目。

③  しつこさと優しさ。
→前述したとおり、管理費の支払い先の企業の担当者も「ひと」です。
先程の2点をわかりやすく伝えれば、大体理解できます。
逆に、それがわからないようなバカだった場合はもっと楽ですが、今回は話のわかる方でしたので優しく書面にして「合意書」を交わしてくれと伝えます。

要は、【おたくの土地を通らないし利用活用もしないので管理費払わないからね】という内容の書面にハンコついてくれって話です。

プラスしつこく連絡しましょう。
別の民間企業も同じだとは思いますが、解決の難易度が同様な案件でどちらも至急ではない場合、お客がうるさい(まだか?まだか?と催促してくる)ほうが対応が早いです。まぁそれはこの件に限ったことではありませんが。

それから、穏やかな口調で話していても相手は百戦錬磨の原野商法担当のとっぽいおじさんが多いです。言いくるめられそうになったら素人はかないません。
無理に頑張らず、懇意にしている不動産業者さんにお願いしましょう。
素人のかたが公道に面しているからなどとプロにあれこれ言ってもダメです。
そんな方用にあらかじめ用意しているよくわからない理屈をこねくり回されてしまうでしょう。

以上、ポイント③に少し書きましたが、最終的な結末は当社で合意書を作成して最終的に業者とAさんでそれぞれ署名捺印と割印をして1通ずつ受け取って終了しました。


「合意書」の簡単な内容は前述のとおりですが、ではいままで支払いをした管理費はどうしたのか?というと、放棄してもらいました。
【いままで支払った分に関しては返してとか言わないよ!そのかわりもう支払わないからね。】としたのです。
ここが意外と重要な点だったかもしれません。
「今までの分も返してくれよ!」と突っ張ってしまうと向こうの会社も拒否反応を示すでしょう。
そして長引いて泥沼化してしまいます。
今までの分は勉強代だと割り切って、「しょうがない。」と完結させるほうがいいです。

そんなこんなで先方から合意書が戻ってきたことをAさんにご報告しました。
めちゃくちゃ感謝されました。
ちなみに分譲業者側からは、初めてのケースなので対応に困ったと言われました。

当社も報酬は頂きましたし、お客様も悩みが晴れてその後紆余曲折ありましたが何とか売却できてハッピーな結末でした。

繰り返しますが「公道に面している」というのが最重要ポイントだったわけで、もしそうではなかった場合は別のやり方を取っていたと思います。

んー、管理委託契約書がないことを突いて、ゴネて解除ですかね。以上です!

【倒産2.0】 倒産体験談 元・若手経営者が倒産(申立から免責決定までとその生活)をまとめました。

 

数年前、私は建設会社の経営者だった。

その時の倒産の経験をここに書いていきたいと思う。

なぜなら私が倒産したときは会社を倒産させた経営者がその時の状況や心境を本音で記しているものなどはなく、弁護士事務所が掲載している法律に触れないような当たり障りのない文字で飾られた集客用ホームページしかなかったからだ。

私が体験した法人の破産について書く。

いわゆる代理人弁護士に委任し、その後破産管財人が財産をあれこれしていく破産手続きだ。大きい会社は民事再生手続きや特別清算などの手続きがあるらしいが私にはわからない。

 

これを見ている貴方はおそらく今不安であり、倒産についてよくわからないから検索してたまたま出てきたこのページを見ているのであろう。

安心しろ。大丈夫だ。それを経験した私は死んでいない。現に生きている。

 

貴方も苦しいだろうがこの文章を読んで倒産を少しでも知れば僅かでも安心するだろう。

金繰りで頭がパンパンに膨らみ、金以外のことなど考えられない今のあなたは頭を整理するべきだ。私は周りに倒産した経営者などはおらず、先輩の金持ち経営者たちに助けられながら倒産した。倒産に対しての知識がなかったし何より支払いをしていない下請け業者から電話が鳴りやまず、脅かされた。そのような状況で手を付けている仕掛かりの工事現場を何とか別の人に引き継ぐ。そんな不安定な状態だった。人間は金が無い状態に陥ると人に対して自分の怒りをぶつけ、他の誰が何をしても癪に障りまた自分の中の怒りが増幅し頭の中を金と怒りに支配される。それに加えて倒産について検索しても先ほど述べたような綺麗事しか載っていない。

 

倒産をするにも金が掛かることを私は知らなかった。多くの人はそれすらも知らないだろう。

なぜなら皆自分で興した会社が倒産するとは思ってないからだ。開業の手続きを指導できる経営者がいても破産手続きを指導できる経営者はごくわずかである。それがあなたの知り合いにいる可能性はまずない。そしてその体験談なども裏話やリアルな真実は、これだけ開かれた世界のインターネットでさえほとんど載っていない。

 

今から私が実際に体験した倒産の経験をここに書く。

 

会社を倒産させて、銀行などの連帯保証に自分の名前がある場合には多くの経営者は同時に自己破産も進める。私がそれだった。銀行からの借り入れは8,000万円近くあり、最終の負債額は約1億円。銀行借入が8,000万円ぐらいだったので一般債権者へは約2,000万円近くの支払いを法的に逃れた。債権者は30社近く。

それも主に材料商社や下請けの工事会社でありその中には個人事業主として生業しているいわゆる職人と呼ばれる方々も多かった。

私は工事会社を経営して4年目に倒産した。1年目2年目3年目も決算は赤字。

現金が枯渇するとメインバンクからすぐ追加で借り入れをして、それをその月の買掛にあててまた頭を悩ませていた。

現金が潤沢にあってセレブな生活などをしたこともないし、飲み屋で奮発して散財することもない。

特別高い時計や高級車を買うわけでもなく朝から晩まで誰よりも働いていた。休みを取ることは悪だと思っていてただ働けばいいと思っていた。

妻とその時幼かった2人の子供を連れて家族と出かけたことは数えるほどしかない。

数か月のうちのたまの日曜日に休みを取っても一日中くたびれたソファで横になっているだけ。

本当に真面目に仕事をしていてそういう状況になったのだ。

 

遊びに遊んで失敗したわけではないから、本当に経営者として無能だったのだろう。

私の会社は現場管理と呼ばれる業務が中心の仕事をしていて、ゼネコンやサブコン、不動産業者や近所の方などから仕事を請け負いその工事を協力業者に依頼して工事を完了させるといった仕事だ。町の工務店みたいなもんだろう。

私は大工ではないが。ブローカーともいうのか。いや、そうではない。

いわゆる元請けからの受注金額とこちらから業者に依頼する発注金額の差し引きが粗利益である。従業員は3名。仕事を取ってくるのが私の仕事でそれを彼らにお願いしていた。

 

そして私が一番業務をしており営業もやっていた。経理はほとんど見ておらず、銀行口座のデータと連携していた会計ソフトを税理士の先生と月に一度打ち合わせをしているときにたまに眺めるぐらい。

 

レシートをスクラップブックに張る作業があったが、それは従業員の1人にお願いしていた。資金繰り表は銀行の担当者にきつく言われるまでつけておらず、今考えれば無責任な経営者だったのであろう。

しかし、当時の私はなんとか金額の大きい工事を受注して工事前に受け取る着手金を会社に入れて毎月の支払いをして、苦しくなる前に大きい利益を確保できる工事をものにしてこの状況から脱出しようと本気で考えていた。というよりはそれしか自転車操業から抜け出せる方法がわからなかった。

このままコツコツ返していけるのだろうか。毎月銀行への返済だけで90万円ほど。

さらに従業員3名と私の給料と事務所の家賃、駐車場代、さまざまな保険料、水道光熱費、ガソリン代、ETC支払い他諸々を合わせると約160万円。

合わせると会社が維持していくのに250万円毎月掛かるのだ。

3期連続赤字で4期目に入ったばかりの従業員3名の会社なのに。

この状況までくるのにはもっと紆余曲折あったのだが割愛する。

 

そしてある年の10月中旬。9月に施工した現場分の請求書が下請け業者と材料商社から届いた。ほとんどが郵送で、あとはメールなど。計算すると1,800万円。入金予定は400万円。

以前から現場の着手金を当てにして毎月その金で支払いをしてきた。赤字現場になるのを覚悟して受注をする、そうしなければ金が回らなかったから。

私はその数字を見てからすぐに取引のあった20数社に片っ端から電話をかけて、「申し訳ございません。今月末の支払いを来月の中旬まで待ってもらえませんか?」と無茶なお願いを試みた。私はそれまで一度も支払いを遅延したことなどなかった。

当然のことなのだが、建築の業界では意外と支払期日を平気で守らない企業もあるらしい。

思い返せば一度きりで【紹介された】工事を知らない会社から受注した時に私も経験していた。そして電話でしたお願いは規模の大きい会社ほど慣れっこなのか了承してくれた。他にも個人でやっている方含めて15社近くが快く受け入れてくれた。

しかし当然の如く、受け入れてくれない会社も数社あって、その中に800万円近い請求書を送ってきていた会社もあった。

口座には200万ぐらいしかなく当然現金での保管もない。その1社が待ってくれなければパンクする。私はメインバンクの担当者に連絡したが、NOを突き付けられた。頻繁な借り入れの数と何より金額的にもう無理だとのことだった。 

売上が約13,000万円で8,000万円近く融資しているのだから約60%の比率だ。断るのも当然だろう。

よくこれだけ貸してくれた。ありがとう。

 

次に、以前取引のあった信用金庫と日本政策金融公庫へ連絡してすぐに申込させてほしいと伝えて2社に前期の決算表と現在の資金繰り、架空で作成した受注工事明細、会社の謄本などを持参して相談した。

この時すでに10月の半ばから後半にかけてであった。

銀行の担当者がどれだけ急いで動いてくれても新規取引だと融資実行までに最低でも3週間かかる。初回打ち合わせの段階でおおよその感触がわかった。

信金の担当者は知り合いが紹介してくれたので2,000万円の申し込みで保証協会がOKすればなんとかしてくれると励ましてくれたが公庫は無理そうだった。

担当者もイヤイヤに話をしていたのだが私は懲りずに熱弁してお願いをした。

2社とも10日ほど待ってくれれば返事ができるといってくれた。

メインバンクに断られた時点で大口の支払いと他数社に支払えないことが確定していたので知り合いに金を借りに行ってなんとか500万円ほど集めたが、翌月の頭に銀行の返済がありその月の10日に従業員の給料も支払わなければならないことが頭の中からすっぽり抜けていた。

そして10月に施工した現場の金は既に入金してもらっている。

11月の末にも支払いがあるし、いくらの請求になるのかもわかっていなかった。

 

もう無理か。10月の末に数社分だけ銀行窓口で支払いをして、その足で以前から相談していた知り合いの先輩経営者に相談にいった。

「もうこれ以上傷口広げるのはやめて、畳んだほうがいいんじゃないか。ここまでの額は俺も面倒見切れない。」と重い口を開いてキッパリ伝えてくれた。言いづらかっただろう。

私は涙が出てきた。周りの人に数えきれないほどの迷惑をかけ、協力してもらい、今まで会社をやってきた。経営していたのではなく、何とか金を回していた。経営なんて出来ていなかった。途中からは現金のために売り上げを立て赤字を出していたのだから、今考えれば何のための商売なのかわからない。その時は必死だったことだけ覚えている。

その言葉を聞いた私は「わかりました。」と返し頭を下げた。その方が知り合いの弁護士を紹介してくれると言ってくださり、翌日にその弁護士事務所に打ち合わせをしにいった。会社のリアルな状況を伝えて、倒産の手続きを先生にお願いした。

 

私は支払いを止めている下請業者からくる催促の連絡とこれからの不安で頭がいっぱいになりパニック状態だった。

自分の会社が倒産するなんて本気で思っていなかったからだ。バカである。

先生から倒産や自己破産のことについて聞いていくと、何もかも失うのが倒産・破産だと思っていたが、どうやらそうではないらしい。

生活する最低限の借りて住んでいる家や家具家財・日用品はそのままで、よほど高級なものがある場合はそれを弁護士が売るらしい。

「弁護士が通知を出すと債権者たちは家にきたらダメだから来ない。もしも家にきたら家から出るな。警察を呼べ。」そんな話をしていた

。私はよく理解できていなかったが先輩経営者ともう1人ついてきてくれていた知り合いが私のためにいろいろなことを聞いてくれていた。

この時に私は鞄に入っていた100万円を弁護士に支払った。倒産するにも金がかかるのだ。法人の破産手続きの相場は約80万円。

それと破産管財人へ支払う予納金が20万円だ。

倒産する企業の経営者は覚えておいてほしい。

最低100万円は別で用意しておけ。100万円がないと倒産出来ない。

もっとも今は法テラスと呼ばれるなんちゃらがあるみたいだが私は知らない。1回目の打ち合わせはそんな感じで終わり、私たちはそれぞれ帰った。帰る途中、1人の先輩が「念のため引っ越しておいたほうがいい。」と私に言った。

 

私は弁護士の話だけ、いわゆる法律の決まり事だけを聞いていたので油断していたが、「債権者たちはそんな法律を守って家でおとなしくしているわけがない。法人の登記簿を上げて絶対に来る。お前がもし同じことを他の元請けにやられたらどうする?通知を出す前に引っ越せ。」と強く言ってくれて、その方の知り合いの不動産業者さんが持っていた家に引っ越すことになった。

その日は会社に帰らず家に帰り私は妻に、会社が倒産して自分も自己破産をすること・借りていた家から不動産屋さんが用意してくれている家にすぐにでも引っ越さなければならないことを泣きながら伝えた。

妻は「わかった。」と言ってくれて、その日から荷造りを始めていた。次の日の朝会社にいってすぐ、従業員に家で待機してくれと伝え先に給料を手渡しして帰らせた。

今までありがとうと伝えて、後で連絡すると言ったきり今でも連絡を取っていない。

その中で古株の1人が残ってくれた。彼とは今でも連絡を取り合う関係だ。

その人と一緒に事務所の書類関係を全て段ボールにつめた。

そして友人が借りていたコンテナのような貸倉庫に夜な夜な移動した。

その間、取り掛かっている現場を何とか断ったり引き継いだりして仕掛かりの工事をなくした。

とりあえずやらなければならない「仕事」を無くしたのだ。先の予定は放置だ。

出来るわけがない。次の打ち合わせの日。11月の6日か7日ごろだっただろうか。Xデーを決めようという話をしにいった。いわゆる弁護士の受任通知が届く日にちを決めるということである。家の引っ越しがあったのでいろいろ調整して決めた。ちなみにこの時に弁護士の先生には引っ越すことを伝えていない。

 

私は「債権者リスト」と呼ばれる社名や未払い金額などを記入した紙を渡して、弁護士からは「陳述書」という倒産までに至る経緯を細かく書いたものを用意してこいと紙を渡された。申立て手続きで裁判所に提出するのにそれが必要なのである。

2回目の打ち合わせが終わり数日経って、とうとう受任通知を出した。

発送した2日後の昼頃から夕方にかけてほとんどの債権者たちに届いただろう。

借りていた事務所にはもう戻れない。

会社の登記簿に載っている家の住所にも戻れない。

まだ弁護士の受任通知が出た段階だ。法的に完全に保護されたわけではない。

とはいえど弁護士からの正式な書面が出ているわけだから、経験のある人間はまずこない。

踏み倒した業者の中には事業歴の浅い会社さんもあった為、電話は鳴りやまなかった。大事なのが、受任通知が「向こうに届くタイミング」だ。

郵便は予想しているよりも早い。午後に届く算段で行動していてもそうはうまくいかない。

実際にその日の昼頃に、会社を潰すことを事前に伝えていた仲間から「俺のところにもう通知が届いたぞ。気をつけろ。」との連絡があった。

大手はやっぱり動きも早い。

私の連帯保証人のところにもすぐ来たらしい。

商社は本部に法務部的なそれ専門で仕事をしているようなところもあるので届いた受任通知を持って静かにやってくる。

怒ることなく業務的に淡々と話をしてきたみたいだ。

一般債権者たちはそうはいかない。

慣れている会社さんは連絡すらないが、やられた経験が一度もないと向こうも必死だ。私は友人に元事務所の近くを通って確認してもらったが、3台から4台の債権者たちの車があったそうだ。電話に出なければLINE、メール、ショートメール、私の親・親戚・知り合いなどあらゆる方法で連絡を取ろうとする。

弁護士から事前に「電話に出ても埒が明かないから出るな」と伝えられていた為、私は電話を取ることもなかった。言われなくても出なかっただろう。

どうしようもできないのだ。申し訳ない気持ちだけ伝えても仕方がない。

こちらはこちらの事情でこうするしかないのだから、「ごめんなさい。」と言ったところで 「謝罪はいいから金払え。」と言われて終わりだ

。本当はいけないことなのだが、昔からの仲間数人と一部の業者には事前に現金で支払いをして領収書を個人名でもらっておいた。

業界的に怖い人が多かったのでそうしておいたのもあるが、その時にはまた建設の業界で何とか復活する予定だった。

だから何本かの強い太いパイプは繋いでおかなければならなかったのだ。

あとは本当にお世話になった工事会社さんに全額は払えなかったが、いくらか持って謝罪をしにその人が作業している現場まで行ったところもある。

あとは昔からの信頼出来る仲間には筋を通して今後もなにか連絡ができるようにしておいた。

結果的に建設の業界に復帰することは無かったが、これでよかった。

他にも2社回ってお金を持っていく予定だったのだが、遅かった。

通知が届く予定の日の昼過ぎに連絡がなりやまなくなり、1社は距離が遠いところだった為・1社は先に通知が届いてしまい感情的になっていた為こちらも諦めた。

申し訳ない。倒産する方は、これもよく注意しておいてほしい。

事前に挨拶をしておきたい業者がいるのならば受任通知が届く日時をよく確認して弁護士と連絡を取り合ってほしい。少し早めに出向いたほうがいいだろう。

しかし、金が少しでも用意出来ないのなら謝罪にいくな。

情報だけ回される。相手が悪ければそのまま捕まって拉致されるかもしれない。

そして受任通知が出てからは現金の移動も何もできない。

銀行口座からは現金で降ろしておくこと。足の付く口座間の資金移動はするな。

復活したときに再度取引したい業者がある時は前もって全額支払いを出来る状態を作って、「絶対に漏らさないでください。復活したら何とかお願いします。」と約束してこい。

そして「その金はもらっていないことにしてください。」とお願いするのだ。偏頗弁済(へんぱべんさい)といって、特定の誰かにだけ勝手に支払うことは許されないのだ。そんなことをすると破産管財人はその支払いを取り消すことができる。

事前に、わからないように支払っておいて、支払われていないことにしてもらうしかほかない。

取引開始時に保証金や預かり金などを支払っている会社があるときは、買掛がそれより下回るなら放っておけ。破産管財人もその保証金のすべてを取ることはしない。保証金から買掛を差し引いた分を債権者は管財人に返金するのだ。

それすらもしない管財人もいる。面倒だからだ。

復活した時に再度取引したいのならば事前に、前述の方法で謝罪に行け。

 

あらかじめ用意しておいたレンタカーに乗り、帽子を深くかぶり、怯えながら引っ越し先へ帰った。玄関のドアを開けると、引っ越したばかりの家に急いで荷物を詰めたダンボールが山積みになっていた。

奥へ進むと買ってきた安い惣菜をおかずに夜ご飯を食べていた。私はとても安心した。家族に何かあるのが一番怖かった。

この時に、前の住所の家に居れば大変なことになっていただろう。事務所まできた債権者たちが何社もいるのだから、自宅に来ることが容易に想像できる。

1回目の打ち合わせ後に引っ越しを強く勧めてくれた先輩とその知り合いの方に感謝を伝える電話をした。

その後鳴りやまない仕事用の携帯電話はマナーモードにして下駄箱の上に置いた

。バイブレーション機能のついたそれは狂ったようにブルブル音を立てて震えていたので、電源を落としてハンドタオルに包んで捨てた。

子供は何故引っ越しをしたのかを理解出来る年齢ではなく、「前の家のほうがよかった。前の家に戻りたい。」としきりに妻に訴えていたが妻はそれをなだめ、布団も用意できていない狭いリビングの冷たい床の上に横たわりタオルケットをかけて寝た。私は妻と今後について深く話した。

私がしばらく実家に行くことになった。その時には引っ越し先の住所は誰にも知らせておらず、ココ(新居というか引っ越した先)が一番安全だろうという2人の意見だった。

もし私が債権者に見つかりマークされてもココに帰らなければ子供たちの居場所はわからない。申立手続き書が出して裁判所に受理されるまで私が実家で暮らすということだ。

申立手続きが出来ないと完全には保護されない。

急いで実家に連絡をし、次の日早朝に実家に行った。レンタカーは延長して車は近くのコインパーキングに止め両親に頭を下げた。

破産は事前に伝えていた為、子供たち(両親からすると孫)が安全ならそれが一番いいだろうと理解してくれた。

それから申立手続きまでは弁護士と週に何回かメールをして、必要書類を揃える。

会社の帳簿類と記帳した通帳、保険証券などのお金が絡むものは全てだ。

直近の決算書も必要だろう。これらの書類が揃わないと手続きが受理されない。

「会社」に関わる書類は何としてでも安全な場所に保管しておけ。

私の知り合いには刑務所に入っている間に下請けの業者に事務所を荒らされて倒産することも出来ない元経営者の方もいる。

帳簿・通帳・保険証券類はまとめて段ボールでどこか安全な場所に移動しておくべきで、究極は全てスキャンをかけてデータで持っておけ。おそらくそんな時間はないだろうが。

もし売り掛けがあるのなら早めに回収しておくんだ。

しっかりと両者の記名捺印された債権債務をはっきりさせた書類を持っていても倒産してからは自分のものではない。

管財人が債権者にいびられない程度に回収して割合に応じて振り分ける。

受任通知を出してから口座に振り込まれても引き出せないし、ネットバンキングでも資金移動できない。

凍結されてしまったら自分ではどうすることもできない。

かといって踏み倒した銀行に電話したところで意味ない。

バカでもやらない。売り掛けと債権は早く回収すること。

それと領収書は何でも取っておけ。直近の口座からの引き出し、それも大きい金額のものはのちに管財人から絶対に突っ込まれる。

このお金は何に使ったのですか?このお金はどこにいったのですか?とこと細かく質問される。復活してから再度取引したいと考えている業者やお世話になった業者に事前に現金で支払いなどをすると、それなりの金額を銀行口座から降ろさなければならず、それが記帳された通帳は裁判所に提出するので、多額の現金のやりとりは残っていると管財人にバレてしまう。お金を使ったものの証拠は全て取っておくこと。

 

管財人の中でも破産管材を専門でやっている弁護士もいればそうでない人もいて、いわゆる裁判所の手下みたいなものだ。とはいえそれが仕事でその対価をもらえるが故、弁護士方もその仕事を請けている場合が多い。

よほどメディアに注目されるような大型倒産でなければ、正義を貫いて何もかも指摘していくような重箱の隅をつつくようなことはしない。

彼らも金になることを金にして自分の報酬にするだけだ。とはいえ国の遣いなのだから、裁判所が気になるだろうことを事前にこちらにチェックしてくる。

倒産する会社の経営者はおろした現金の内訳と言い訳を事前に用意しておくのに領収書が必要なのだ。

辻褄が合えばそれ以上は何も言ってこない。早く終わらせて早く次の管材事件に取り掛かるのだ。郵便について。

倒産した会社へ届く郵送物や同時に自己破産手続きをする私へ届く郵送物などはすべて管財人に転送される。

 

そして中身を勝手に見られて、問題がなければ渡される。そして【管財人発信】という赤い文字の印鑑を押されたものが自分のところに郵送される。

 

ちなみにこの破産管財人というのは、私が委任をした弁護士の先生とは違う人だ。「申立て手続き」までをやるのが自分の委任した弁護士で、「申立後」から清算手続き完了・破産終結までをやるのが破産管財人だ。この破産管財人は当然だが選べない。

委任した弁護士すら申立後裁判所から連絡がくるまでの間、どの弁護士が破産管財人となるのかも知らない。

 

営利関係が無いようにする為とか色々な事情があるのだろう。まあ考えれば当然だ。

私は実家で数週間過ごしていると、弁護士から「週明け、裁判所に申し立てします。」と連絡がきた。

私は安心し、そのことを家族に伝えた。このころもまだ外に出るのはまだ恐怖があった。家の前に怪しい車があるとインターホンのモニターで監視をしていた。

弁護士に原本を送らなければいけないものなどはなるべく明るいうちに近くのコンビニで発送していた。父母が貸してくれた現金が少しあった為、私は仕事もせずにいた。

ちなみに最初に債権者に通知がいくのが「受任通知」だ。

これは、もう会社がダメなので倒産するために弁護士の私に連絡くださいね。という文言の書類で、このときまでに前述した様々な段取りを踏んで準備しておかなければならない。

その後発送されるのが、「申立手続き開始決定」の通知だ。受任通知とほとんど変わらないが、これは「受任通知」が出てから1週間ぐらいで発送される。私の時はそんな感じだった。やっぱり無理なので、倒産するために手続きに入りますよ。という弁護士からの手紙。その後破産申立の書類を揃えて裁判所に提出すると発送されるのが、「破産手続き開始決定」の通知である。

倒産の手続きを始めるので皆さんいくら支払われなかったか教えて下さいね。という破産管財人からの手紙だ。この時に官報公告される。確かそんな感じだ。

破産手続き開始決定の通知が出てから何日後か状況によるが弁護士の先生と、初回打ち合わせといって破産管財人弁護士と面会にいく。

この時には破産管財人の名前は依頼した弁護士方から聞いていた。

初回打ち合わせは何をするのかというと、あらかじめ裁判所に提出された書類のすべてを管財人がチェックしていて、その中で気になるところを質問される。

私もここで何個か厳しい追及をされたが、何とか切り抜けた。言い訳がエビデンスで残っていれば大丈夫だ。最もその前から委任した弁護士伝いでメールのやり取りはしており、明らかにおかしいだろうことは質疑応答されていた。書面や文面だと理解しにくい、わかりづらいことを聞かれる。

特に資金隠しなどをしていない貴方は聞かれたことの事実をそのままに、知らないことは知らないで誠実に話せばいい。私は何としても支払いをしたかった会社さんがあったため、所有していた自動車を知り合いに売却していた。

それも弁護士さんとの1回目と2回目の打ち合わせの間にである。

倒産寸前のタイミング。これも中古車などを取り扱うかなり信頼出来る筋の付き合いの業者さんがいなければ成立できず、売買契約書の日付を遡って記入し、さも半年や1年前に売却していたことにして現金に変えてくれた。

もちろん決算書に記載のある資産だとそれ以上は決算期より前には戻れないためその付近の日付でやる。中古車屋さんには領収書を渡して、自分は現金をもらいそれを工事会社に支払う というのが1個のパターンだ。もう1パターンは、売却して借りていることにするやり方だ。売却して現金の授受があったというような書類を作るのだけれども、実際には売っていないし車も渡していない。自分の会社名義の車をその中古車屋さんの名義にするだけ。そしてそれは自分が乗っているという方法だ。

信頼していた中古車屋さんに何とかしてもらって数か月後、自分の名義に戻した。

これらは、もし現金の使途や諸々が管財人にバレてしまえばその車の売買契約は取り消され、倒産の手続きも進まなくなり私は詐欺などの別の罪で問われていたかもしれない。たまたま運良く突かれなかった。

その中古車屋さんからもう1回別の名義にしてその後私に戻したりとか第三者が入ったりして何とかくぐり抜けてきただけだ。

会社保有の車は全部で4台有り、全部の車それをやると危ない気がしたので、他の2台は素直に管財人に差し出した。

管財人側の中古車屋が2社きて、相見積もりの上持っていかれた。

いくらで買い取られたのかは私にはわからない。

そんなこんなで第1回の債権者集会を迎える。

これは官報で公告されているので何年何月何日の何時にどこで行われるかは調べようと思えば調べられるし、何より管財人からの債権調査票で出欠確認が行われている。

 

その時私はもう違う仕事を始めていた。

同じ業界で復活する予定だったがそううまくいかない。

同じ土地で似たようなことは出来なかった。

前日には委任した弁護士から「適当な作業着で来てくれればいいよ。スーツにネクタイなんてしなくて結構。」と電話で言われたので、言われたままの服装をして裁判所へ向かった。

 

あらかじめ待ち合わせしていた時間の10分前に弁護士事務所に着き、予定時刻に合わせて裁判所まで向かう。

 

臆病な私は、「債権者に会ったら殴られますかね?」と聞くと弁護士は「大丈夫ですよ。まぁ、もしそうなったら私は走って逃げますから!」と笑っていた。なんだこいつ。

いよいよ裁判所に到着する。

入口では空港で行われるような手荷物検査があった。

鞄やポケットに入った私物は全てカゴにいれて、自分はいわゆる金属探知のようなゲートを通過する。指摘されることなくそれを済ませ、弁護士の後ろを歩きながら集会が行われる部屋へ歩く。少し早く着いてしまったようで、前の債権者集会がまだ行われていた。その部屋の前に管財人の先生がスーツケースを持って待っていて、挨拶した。

5分ぐらいして、中の人が3人ぐらい出てくると入れ替わりで私たちは入室する。部屋は何とも殺風景で、学校の教室みたいだ。

正面には教壇に机が置かれてそこの前に座る裁判官。

それと同じ向きで端に座る管財人。

私と弁護士はその管財人と垂直に部屋の中央を向いて座る。

債権者用にパイプ椅子が20個ぐらい並べられていた。

一昔前にテレビなどで流れていたマンションの建設を反対する住民説明会みたいなものの小さいバージョンといってもわからないか。

部屋の中はもう1人、裁判官なのかわからないがおそらく債権者が来た時にここに名前を書いて云々とか説明する係みたいな人がいた。裁判官と管財人の机にはそれぞれ、笑っていいとも!のテレフォンショッキングのときに置いてある名前札みたいなプレートで、《裁判官》《破産管財人》とある。

 

席に着くと、法人の破産と個人の破産についての氏名や住所に間違いがないか確認する書類が2枚置いてありそれに生年月日などを記入した。

そんなものはすぐ書き終わって、管財人から法人と個人の管財の処分の進捗状況が書かれた紙が渡された。

5分か10分経ったところで債権者は誰も来なかったが部屋の扉が閉められて、債権者集会が始まった。裁判官は集会の開始を告げ、管財人に法人の財産処分等について説明を求める。管財人は立ち上がって先ほど渡された紙通りの説明をした。

 

ちなみに債権者は誰もきていないので、裁判官・説明の人・管財人・弁護士・私の5人だ。続けて個人の財産処分の説明もして、次の債権者集会の日にちを決めて終了。始まってから終わるまでの時間およそ10分〜15分ぐらいだった。

部屋を出て、管財人に「ありがとうございました。」と伝えた。

管財人から2点ぐらい追加で質問事項をされたがその場で答えられるような事では無かったので「改めて調べてから連絡します。」とお話しして裁判所を出た。

裁判所から出て弁護士と別れ、自宅に帰り妻に1回目が終わったことと次の日程を一応伝えておいた。

管財人からの質問事項をコツコツと返答して、1ヶ月ほど経った頃 自宅が売れそうだという連絡がきた。売却されるということはわかっていたのだが、売るための活動も銀行との協議も私の知らない範囲である。と、同時にメールに書かれていたのは売却がスムーズに進めば法人個人共に次の債権者集会を終えれば破産手続きが終了できるということだった。住宅ローンで借入をしていた銀行と会社で取引していた銀行は私の場合は別だ。売られる家に抵当権を付けていた銀行(住宅ローンを借入した銀行)がどうしても高く売りたいとか諸々の文句をつけてくるとまずすぐには売れないらしい。

 

「運が良かった。やっと手続きが終わるのか。」と正直思った。

「宜しくお願い致します」と返信し、2週間が過ぎまた連絡があった。

車の売却代金の使途を質問された。

やばい。突かれなかったから放っておいたその件はうまく免れたと思っていたのだが。

私はまたそこから2週間ほど時間をもらって何とか辻褄を合わせ、依頼した弁護士側と打ち合わせをしながら回答した。

その後は何も言われなかった。

そして来たる第2回債権者集会。「1回目に誰も来なかったからさすがに2回目は来ないよな。」と甘い妄想をしたまま、また弁護士事務所に待ち合わせをして2人で裁判所まで向かう。

 

会社と私の第二回債権者集会が始まった。

前回と同じように、住所に変わりはないか電話番号に変わりはないかなどの書類を安い会議用テーブルみたいなものの上で淡々と記入する。

 

そして定刻になると「裁判官」が始まりを告げまた同じように破産管財人が財団の収支とその顛末を告げる。

これで終結となります。   

 

え?私は隣に座っていた代理人弁護士に目配せした。

[もう、終わり? やっと終わられるの?]小声でそう告げると、

[はい。終わりですね。]とまたそちらも小さい声で呟いた。

はぁ。終わった。やっと終わった。 

債権者集会場と書かれた場所から退出して、破産管財人の先生に感謝を伝え深々と頭を下げた。そして私は代理人弁護士の先生にも裁判所を出た後で涙ながらにお礼を言い、帰り道にお世話になった方々へまた同じことを連絡した。

 

1週間程度経ったころだろうか。

弁護士側から書類がきた。破産決定通知書といったものだっただろうか。

そのような紙が3枚。1つは会社の破産はこれで終結という内容のもので、もう1つは個人の破産もしょうがないから終結しますといった内容のもの。

最後の1枚は、免責許可申請みたいなそんなようなものだ。

詳しい名前は申し訳ないが覚えていない。

裁判所に対して破産管財人側から出す、《免責にするのが相当です。お願いします。》といった内容の紙だ。ちなみに、終結が言い渡された債権者集会で法人の破産は終了する。あらゆる債務を跳ね除けて金に出来るものを僅かな金にして、管財人が自分の報酬に充てて終了だ。債権者への配当金など、私の場合は出ていなかった。個人の場合は、免責の許可決定通知が出ることによって復権を得れる。前述の債権者集会から、約2週間ぐらいで官報に載るのだ。この人の借金をチャラにするけど、文句がある人は連絡してきてねーといった内容で。そこからまた約2週間ぐらいの間に、文句を言う人がいないと免責の許可がでる。やっと人間に戻れる。

本当に色々な方へ迷惑をかけて辛い思いをさせながら申し込んだ破産申請は、約10ヶ月ほどで終結した。

こんな経験はするべきではない。家族を含め色々な方に迷惑をかける。

だが、このような状況にならざるを得なくなった方もいるはずだ。そんな方へ伝えたいと思ってこの文章を書き綴った。まだ、やり直せる。また、やり直せる。もちろん街に出るのは臆病にもなるし、人目のつく場所には足も腰も重くなる。でも生きていかなければいけないのだろう。だから、私のnoteを見たのだろう。生きろ。死ぬな。生きていればどうだってなる。不自由が付き纏う将来に臆するな。その後の人生で同じことを繰り返さなければいいだけだ。〜終〜

ここまで読んで頂いてありがとうございました。反響があれば今の人生についても書こうと思います。最後の一文にも入れましたが、生きていればどうにでもなります。迷惑をかけた方にも恩返し出来ますし、家族と過ごすことも友人と飲みに行くことも同じように。任意弁済といって、法的に責任を逃れた相手にも支払うことだって出来ます。多くの方が経験することのない、この日本の法律で唯一許された主要構造が法律のゴムボート。詳しく知らない方が大多数のこの令和の時代の徳政令。

(自分を含めた)大事な人を守るために、勇気を持って利用しよう。もちろん、その状況にならないことが1番なのだが。

《追記:忘れていたこと》私の中では意外と忘れがちだったのだが、水道・電気・ガスなどのライフラインやWi-Fiやネット関係の解約の連絡がまだのものがあった。だが、これもあまり気にする必要はない。出来る管財人であればその請求書の全てをそれぞれの債権者へ突き返す。ていうか皆跳ね除ける。管財人報酬を少しでも増やしたいから。

唯一、跳ね返せないのは「税金」だけだ。それ以外は全て「管財人報酬」として自分の懐へいれる。弁護士は大変だ。その報酬額をみると決して楽に儲けているとは到底思えない。負債額が結構な金額でも3桁万円前半なのだから。色々な債務関係のある人間とのやり取り。神経をすり減らされるお役所文書の作成。記録に残らない債権者とのやりとり。

お世話になった先生方、本当にありがとうございました。

 

※フィクションです。

フリーレントの裏側・完全解剖 賃料無料の皺寄せはどこへ!

――「家賃1か月無料」に飛びつく人が損をする理由

はじめに

「今なら家賃1か月無料です」

この一言で、内見即決する人は少なくありません。

初期費用が下がる。

得した気分になる。

決断の後押しになる。

でも、不動産の世界に“理由のない無料”はありません。

フリーレントとは、

オーナー側が何らかの理由で早期成約を強く望んでいる状態です。

まずはここを冷静に理解することから始めます。

第1章:フリーレントの本当の意味

■ フリーレントとは何か

一定期間、家賃を無料にする制度です。

・1か月無料

・2か月無料

・入居月のみ無料

形式はさまざまです。

しかし重要なのは、

「無料=割引」ではない可能性があること。

■ オーナー側の損益構造

例えば家賃10万円の物件。

1か月空室になると、

当然10万円の損失です。

さらに、

・広告費

・仲介手数料

・原状回復費

がかかります。

ここでオーナーは考えます。

「家賃を下げるべきか?」

しかし家賃を下げると、

・相場が崩れる

・既存入居者とのバランスが崩れる

・将来の売却価格に影響する

そこで使われるのがフリーレントです。

家賃は下げず、実質値引きする。

これが本質です。

第2章:なぜ“今”フリーレントが増えているのか

・供給過多

・新築ラッシュ

・人口減少

・競合物件の増加

特に都市部では

“見た目が良い物件”が溢れています。

家賃を下げずに競争する手段として

フリーレントは使われます。

つまり、

競争が激しい物件ほどフリーレントが付きやすい。

これは覚えておくべきポイントです。

第3章:得しているようで縛られている構造

ここからが本題です。

フリーレント物件の契約書には

高確率で次の文言があります。

「○年未満の解約の場合、違約金として家賃○か月分」

なぜか。

オーナーは無料にした分を回収する必要があるからです。

■ シミュレーション

家賃10万円

フリーレント1か月

1年未満解約で違約金2か月

半年で解約すると?

10万円 × 2 = 20万円の違約金。

さらに解約予告1か月分が重なることもあります。

結果、

実質30万円近い負担。

無料どころではありません。

第4章:フリーレントが付く物件の“共通点”

実務で多いのは次のタイプです。

1.駅距離が微妙

2.日当たりが弱い

3.周辺環境に難あり

4.間取りが特殊

5.築古リノベ物件

もちろん例外もあります。

ただし、

「本当に人気の物件」に

フリーレントはほぼ付きません。

ここが現実です。

第5章:営業トークの心理設計

「今月中に決めないとフリーレントがなくなります」

この言葉、聞いたことありませんか?

これは典型的な“期限効果”です。

人は、

・限定

・無料

・期間限定

に弱い。

フリーレントは

心理的決断装置としても機能します。

第6章:本当に得するケース

ここまでネガティブに書きましたが、

有効な場合もあります。

・3年以上確実に住む

・初期費用を抑えたい

・転勤リスクが低い

・相場より明らかに安い

この条件が揃えば、

フリーレントは合理的です。

重要なのは、

居住予定期間を先に決めること。

第7章:契約書で絶対見るべき条項

1.短期解約違約金

2.フリーレント返還条項

3.解約予告期間

4.更新料との関係

5.法人契約時の扱い

特に「返還条項」は要注意です。

「フリーレント相当額を支払う」

と書いてある場合、

違約金とは別で請求されることもあります。

第8章:不動産屋の本音

正直に言います。

フリーレントは

成約率を上げる武器です。

決まりやすい。

説明もシンプル。

しかし、

借主の将来設計までは考えていないこともあります。

だからこそ、

借主側が冷静になる必要があります。

第9章:フリーレント物件を選ぶ判断基準

自分に問いかけるべき質問は3つです。

1.最低何年住む予定か

2.途中解約の可能性はあるか

3.実質月額はいくらか

感情ではなく、数字で判断すること。

第10章:結論

フリーレントは“罠”ではありません。

でも、

焦らせる装置であり、縛る装置にもなる。

無料という言葉に反応した瞬間、

判断は鈍ります。

本当に見るべきは、

・契約期間

・違約金

・将来の可能性

ここです。

定期借家契約のメリット・デメリット 中途解約できる?

――「更新できない契約」を甘く見た人たちの末路

賃貸契約書にさらっと書かれている

「定期借家契約」の文字。

この2文字を軽く見た人から、

順番にトラブルになります。

まず結論から言います。

定期借家は悪ではありません。

しかし、仕組みを理解せずに契約すると、普通借家より圧倒的に不利です。

今日はその構造を、法律・実務・現場の本音まで踏み込みます。

1.普通借家との決定的な違い

普通借家契約は、期間満了後も「正当事由」がなければ更新拒絶できません。

つまり、借主は守られています。

一方、定期借家契約はどうか。

期間満了で終了が原則。

更新という概念がありません。

あるのは「再契約」です。

この違いは極めて大きい。

普通借家

→ 借主が強い

定期借家

→ 貸主が強い

これが大前提です。

2.なぜオーナーは定期借家を使うのか

理由はシンプルです。

・将来売却予定

・建替え予定

・家賃相場上昇を見込んでいる

・トラブル入居者を抱えたくない

普通借家だと、簡単に退去してもらえません。

しかし定期借家なら、

満了時に終了できます。

つまり、リスク管理のための契約形態です。

3.「再契約前提」は営業トークか

よくある説明。

「ほとんどの方が再契約していますよ」

これは事実の場合もあります。

しかし、保証ではありません。

再契約は“新契約”です。

つまり、

・家賃値上げ

・条件変更

・更新料相当額請求

が可能です。

ここが盲点です。

4.実際に起きるトラブル事例

ケース①:子育て世帯

2年定期借家で入居。

再契約できると思っていた。

満了3か月前、

「今回は再契約しません」

理由:売却予定。

子どもの転校問題。

引越し費用。

時間的余裕なし。

これは珍しくありません。

ケース②:家賃値上げ

満了時、

「再契約なら家賃1万円アップ」

断れば退去。

相場上昇局面で実際に起きます。

5.法律上の厳格な要件

実は、定期借家契約は

普通借家より“手続きが厳格”です。

・書面であること

・事前に「更新がない」説明書面を交付

・口頭説明が必要

この説明義務を怠ると、

普通借家扱いになる可能性があります。

ここは知っておくべき重要ポイントです。

6.借主が確認すべきチェック項目

1.契約期間は何年か

2.再契約の可能性は明文化されているか

3.再契約時の条件は記載されているか

4.中途解約条項はあるか

特に重要なのは④。

定期借家は中途解約できないのが原則です。

ただし、

床面積200㎡未満の居住用なら

「やむを得ない事情」で解約可能とされています。

ここも誤解が多い部分です。

7.定期借家の“本当のリスク”

強制退去そのものではありません。

問題は、

・生活設計が崩れる

・引越しコストが読めない

・交渉力が弱い

という心理的圧力です。

再契約交渉時、

借主は不利な立場になります。

8.定期借家が向いている人

・転勤確定

・短期プロジェクト

・明確な退去予定がある

・家賃が相場より明確に安い

条件が揃えば、合理的です。

問題は「なんとなく」で選ぶことです。

9.不動産会社の本音

正直に言います。

定期借家は説明が面倒です。

だから軽く流す営業もいます。

しかし後で揉めるのは現場です。

契約時に本気で理解してもらうことが

本来は必要です。

10.結論

定期借家は悪ではない。

しかし、

・更新できると思い込む人

・長期前提で入る人

・契約書を読まない人

にとっては危険です。

賃貸は住まいである前に、契約です。

「定期」の2文字を軽視した瞬間、

主導権は相手に渡ります。

短期解約違約金 払わないとどうなる?減額交渉は可能?

――「1年未満は家賃2か月分」の意味

最近増えています。

「1年未満で解約すると違約金」

特に新築・人気物件で多いです。

なぜ設定されるのか

貸主側は、

広告費・仲介手数料・原状回復費用をかけています。

すぐ退去されると赤字になる。

だから最低居住期間を設けます。

これはビジネス的には合理的です。

見落とされがちなポイント

・起算日はいつか

・法人契約はどうなるか

・解約予告と重複するか

例えば、

1年未満解約で家賃2か月分

+

解約予告1か月前通知

実質3か月分近くかかることもあります。

回避できるケース

・転勤辞令など不可抗力

・物件の瑕疵

・特約の説明不足

ただし争うには根拠が必要です。

「知らなかった」は通用しません。

結論

短期解約違約金は罠ではありません。

でも“軽く考えると高くつく”。

入居前に、将来の可能性を考えること。

これが最大の防御です。

更新料 いつ払う?相場はいくら?賃貸契約の注意点

――なぜ「払うのが当たり前」になっているのか

「更新料って、何のためのお金なんですか?」

現場で本当によく聞かれます。

たしかに冷静に考えると不思議です。

家賃は毎月払っている。

礼金も払った。

なのに、2年後にまた1か月分?

今日はこの“当たり前になっている違和感”を整理します。

更新料は法律で決まっているのか?

結論から言うと、全国一律のルールはありません。

関東では一般的。

関西ではほぼない地域もある。

つまり、慣習の差です。

法的には「契約で合意していれば有効」とされています。

だから契約書に書いてあれば、基本的には支払い義務があります。

ここが第一ポイントです。

更新料の正体

更新料の本質は何か。

・契約を継続する対価

・事務手数料

・貸主への収益補填

名目はさまざまですが、実態は“慣習的な収益”に近いです。

特にオーナー側から見ると、

更新料は空室リスクを取らずに得られる収入です。

引っ越しされるより、更新してもらった方が安定します。

その代わりに1か月分。

これが構造です。

更新料ゼロ物件のカラクリ

最近は「更新料なし」も増えました。

でもよく見ると、

・家賃が少し高い

・事務手数料が高い

・再契約型になっている

形を変えているだけのこともあります。

つまり“総支払額”で見るのが大事です。

払わないとどうなる?

更新料を拒否すると、

契約更新ができない可能性があります。

ただし、法的には簡単に追い出されるわけではありません。

とはいえ、揉めると関係は悪化します。

現実的には「払うか引っ越すか」の選択になることが多いです。

本当の結論

更新料は“納得感”の問題です。

契約時に理解していればトラブルになりません。

知らずにいると「だまされた感」になります。

賃貸は、契約時点で9割決まっています。

緊急連絡先 いない場合どうする?家族以外はダメ?

――“保証人じゃないから大丈夫”は間違いです

賃貸契約のとき、必ず書く欄があります。

緊急連絡先。

多くの人がこう思っています。

「保証人じゃないし、形式的なものでしょ?」

正直に言います。

それ、かなり危ない認識です。

今日は、ほとんどの人が軽く考えている

“緊急連絡先”のリアルを書きます。

そもそも緊急連絡先とは何か

緊急連絡先は、

法的な連帯保証人ではありません。

支払い義務もありません。

ただし。

「連絡が取れる責任」は発生します。

滞納・失踪・死亡・孤独死。

何かが起きたとき、真っ先に連絡が行きます。

ここが現実です。

滞納が起きたときの流れ

家賃滞納が発生すると、

① 本人に連絡

② 保証会社から督促

③ 連絡が取れない場合

④ 緊急連絡先へ連絡

ここでトラブルになります。

「え、保証人じゃないですよね?」

と言われるケースは本当に多い。

でも契約書には、

“連絡が取れる人物”として記載されています。

無視するとどうなるか。

何度も電話が来ます。

一番揉めるケース

親を緊急連絡先にしているケース。

本人が滞納 → 連絡不能

→ 親に連絡がいく

親はこう言います。

「そんな話聞いていない」

でも契約書には書いてある。

ここで家族トラブルになります。

緊急連絡先が拒否する場合

連絡先が「もう関係ない」と言った場合でも、

契約上は登録されています。

管理会社は、

「では新しい連絡先を提出してください」

と借主に求めます。

提出されないとどうなるか。

更新拒否の材料になることもあります。

孤独死・事故のケース

ここは少し重い話ですが重要です。

入居者が室内で亡くなった場合、

第一報は緊急連絡先に行きます。

・警察から

・管理会社から

精神的負担は大きいです。

「ただの連絡先」のつもりでも、

実際はかなり重い役割です。

よくある軽い気持ち

・とりあえず親

・疎遠の兄弟

・元配偶者

これ、かなり危険です。

関係性が薄い人は

いざという時に揉めます。

保証会社との関係

保証会社が入っていても、

緊急連絡先は別枠です。

保証会社は“お金”を処理します。

緊急連絡先は“人間関係”を処理します。

役割が違います。

連絡が取れない場合の現実

電話が繋がらない

住所が変わっている

音信不通

この場合、契約違反扱いになることもあります。

「虚偽申告」と判断されると

かなり面倒です。

正しい向き合い方

・事前に必ず説明する

・了承を得る

・関係性が継続している人にする

・変更があれば速やかに届ける

これだけでトラブルは激減します。

現場の本音

管理会社側も、

好きで電話しているわけではありません。

でも、連絡が取れないと動けない。

そして、最終的に困るのは借主本人です。

結論

緊急連絡先は

“形式的な欄”ではありません。

保証人ではない。

でも無関係でもない。

賃貸契約は「お金」だけではなく、

人間関係も含めた契約です。

軽く書いた名前が、

後から大きなトラブルになることがあります。

ここを理解している人は、

実はかなり少ない。

だからこそ、差がつきます。